神童コンプレックス/フラニーとゾーイー

ツィッターでは時々呟いてるのだが、川上さんの関西版『フラニーとゾーイー』を目にしてから、あらためて原作のサリンジャーを読んでいる。
偶然にも古本屋で買って本棚の奥に突っ込んでいたのがあったので、しばらくぶりに。たぶん昔、『フラニー』までは読んだけど、その後はほったらかしにしていたんだな。

 サリンジャーというと、誰もがあの『ライ麦畑でつかまえて』を思い出すだろう。
1950年代、スノッブだらけの世界に嫌気がさしてあちこちを放浪した挙句、精神病院に入れられる若者の話だが、『フラニーとゾーイー』も彼の代表作の一つで、グラース家という一家の子供たち(かつて天才子供番組に出演していた)の物語だ。このグラース家は『ナイン・ストーリーズ』にも登場する。






フラニーはグラース家の末っ子の女子大生。美人だが、感性が敏感すぎて、目につくものすべてに嫌気がさして家に引きこもってしまう。ゾーイーはその兄で俳優業をしている。話の後半に当たる『ゾーイー』で彼は、母親に言われて部屋に閉じこもるフラニーの説得に当たる。フラニーはフラニーで、ひたすら神に祈り、以前自殺した長兄シーモアに会いたいと駄々をこねる。
言ってみればこれだけの話である。
まだ読み途中だが、登場人物の膨大な台詞(特にゾーイー)に振りまわされているところ。 それでも、自意識過剰に苛まれるフラニーは今読むと驚くほど自分にそっくりだ。いや自虐なんだけど。そしてそれに突っ込むゾーイーはフラニーの気持ちをきっとよくわかっている(恐らく昔同じ道を通ったのではないか?)。その上で敢えて突き刺さるようなことを言う。
正直学生時代に初めて『ライ麦畑~』を読んだ時は、友達と「一体何がいいのかさっぱり分からん」「分からん」と話していた。有名だから手を出してみたものの、ホールデンの行動はいまいちぴんとこなかったし、訳もちょっととっつきにくかった。でもたぶん春樹版を読んだら読んだでイライラしている気もする。もしかして今読んだらまた違う気持ちで見られるのだろうか。
(ここまで読んだ奇特な人はお気づきだろうが、読書感想文にはまったく向かない日記です。えへ)

ゾーイー役はベン・ウィショーが合ってるんじゃないかなと勝手に思っていた。いかにも文系で、体格は細めで、というゾーイーの感じと似ている気がするから。

そうです、『スカイフォール』の新生Qです

そこで今度はフラニーは誰かなあと思っていたんだけど、あんまり思い浮かばない。繊細そうな美人だけどちょっとぶっ飛んでるところもあって…ってなるとどうだろう。
誰か候補がいたら教えてほしい。
今のところ頭に浮かんでるのは、単に本のタイトルからの思いつきでズーイー・デシャネルだけど(本名は『ゾーイー』から取られているそうだ)、合ってるのかよく分からない。
ネットをぶらぶらしていたらQuotesがあったから引っ張っておいておこう。

You can't live in the world with such strong likes and dislikes."
- J.D. Salinger, Franny and Zooey
"We're freaks, that's all. Those two bastards got us nice and early and made us into freaks with freakish standards, that's all. We're the tattooed lady, and we're never going to have a minute's peace, the rest of our lives, until everybody else is tattooed, too."- J.D. Salinger, Franny and Zooey
"You take a look around your college campus, and the world, and politics, and one season of summer stock, and you listen to the conversation of a bunch of nitwit college students, and you decide that everything's ego, ego, ego, and the only intelligent thing for a girl to do is to lie around and shave her head and say the Jesus prayer and beg God for little mystical experience that'll maker her nice and happy."
- J.D. Salinger, Franny and Zooey

ところでこの『フラニーとゾーイー』って、「二ールとイライザ」みたいで何か楽しいです。『ナイン・ストーリーズ』は野崎訳をこの前買ったけど、やはり柴田訳もほしいなあ。

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